宮城共立医院の脂質異常の取組み
脂質異常症とは、血液の中の中性脂肪やコレステロールが多い病気です。
中性脂肪やコレステロールといった脂質が増えることで、血管の内側に脂質がたまり、血管が詰まりやすくなってしまいます。重症化すると命に関わる病気ですので早めの診断・治療が必要です。
脂質異常について
宮城共立医院の脂質異常の方針
- 最初に食事療法、運動療法から指導しております。
- 高価なお薬はお奨めしません。最低限必要な検査に止めます。
- 検査は痛みのない細い針で行います。
- 結果は、必要に応じてすぐ説明いたします。
- データはPCで管理し、科学的な治療を行います。
- 心臓病、脳梗塞の専門的な検査が可能です。
高脂血症(高コレステロール血症および高中性脂肪血症)とは
私たち宮城共立医院では脂質異常症の治療に特に力を入れております。 当院では定期的に診察や検査を定期的に行い、食事や運動についてご相談しながら、医師、看護師が科学的な治療を進めてまいります。
「高脂血症(こうしけつしょう)」は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる病気のことをいいます。最近のガイドラインの変更により、従来の「高脂血症」から「脂質異常症」と名前が変更になりました。
「高脂血症」には、トリグリセライド(中性脂肪)が多い高中性脂肪血症、LDLコレステロールが多い高LDLコレステロール血症、HDLコレステロールが低い低HDLコレステロール血症があり、3つのうち1つでも当てはまると、「高脂血症」と呼んでいました。
ただ、高脂血症という呼び方では、低HDLコレステロール血症を含むのは誤解を招きやすいため、「脂質異常症」となりました。
「高脂血症が心配」「コレステロール値や中性脂肪値が気になる」という悩みを抱えていると毎日不安ですが、そんな悩みがなくなれば、ストレスなく楽しい毎日が過ごせて長生きすることができますので、高脂血症(高コレステロール血症)の食事・症状・原因・数値・予防について正しい知識を持って、高脂血症(高コレステロール血症)にならないように生活習慣を見直しましょう!
高脂血症(高コレステロール血症)の症状
高脂血症は、高脂血症だとはっきりわかる自覚症状がないため、症状だけで高脂血症を早期発見することは難しいです。
しかし、高脂血症を放っておくと、増えた脂質がどんどん血管の内側にたまってしまい、そして知らないうちに体の血管が傷ついてしまい、動脈硬化を引き起こす恐れがあるため、定期的に健診(健康診断)を受けることが重要です。
高脂血症と判断される基準値・数値
私たち宮城共立医院では脂質異常症の検査は空腹時に検査することをお勧めしていります。正しい検査値がわかり、その結果3つのうち1つでも当てはまると、高脂血症(現在は脂質異常症)と診断されます。
名称 | 値 |
LDLコレステロール(悪玉コレステロール) | 140mg/dl以上 |
HDLコレステロール(善玉コレステロール) | 40mg/dl未満 |
中性脂肪値 | 150mg/dl以上(空腹時) |
LDLコレステロールが140mg/dL以上になると、「高コレステロール血症」となります。中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dL以上になると、「高トリグリセライド血症」となります。
そして「高脂血症」とは、「高コレステロール血症」もしくは「高トリグリセライド血症」のいずれか、または両方である状態を総称した言葉です。
食事・食生活の改善・バランスのとれた食事にミネラル・ビタミン、食物繊維をバランスよく積極的にとる。緑黄色野菜を補給しましょう。
コレステロールは肝臓で酵素によって胆汁酸に変化します。
野菜に含まれる食物繊維は胆汁酸を吸着して体外への排出を促進します。
食物繊維の働きによって減少した胆汁酸を作るために、コレステロールの消費が増えることにより、血中コレステロール値の低下につながります。
日本人の食事摂取基準(2010年度版)によれば、一日の食物繊維の目標摂取量は男性19g、女性14gなのですが、厚生労働省の平成23年国民健康・栄養調査によれば、食物繊維の一日の摂取量は下回っています。
年代 | 男性摂取量目標 | 女性摂取量目標 |
30歳代 | 12.5g | 11.8g |
40歳代 | 12.9g | 12.5g |
50歳代 | 14.3g | 14.6g |
食物繊維には、コレステロールの低減に役立つ効果があるので、食物繊維が豊富な食品を摂取しましょう。
アメリカ農務省の2004年の研究報告によれば、30代~50代のコレステロールが高めの人に大麦を中心とした食生活を5週間続けてもらった結果、悪玉コレステロールの値が13.8~17.4%も減少したそうです。
アメリカ・ミネソタ大学の2007年の研究によれば、155名の悪玉コレステロールが高い方に大麦を6週間食べてもらった結果、悪玉コレステロール値が9~15%減少したそうです。
大麦に豊富に含まれている「大麦βグルカン」という水溶性食物繊維は、コレステロールを材料とする胆汁酸を体外に排出してくれる働きがあるそうです。コレステロールの数値を下げなければいけないとき、どのような薬が処方されるのでしょうか。コレステロールを下げる市販薬の有無と合わせて解説します。
脂質異常症とは血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が基準より高い、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が基準より低い状態を言います。
かつては高脂血症と呼ばれていたが、現在は脂質異常症と呼んでいる脂質異常症は、糖尿病や高血圧などと並んで動脈硬化を進行させ、心臓や脳の病気を引き起こすリスクがあります。
コレステロールを下げる薬の種類
私たち宮城共立医院では脂質異常症の治療薬に最新で効果の高いものを処方し脂質の改善に力を入れてまいります。
HMG-CoA還元酵素阻害剤は、HMG-CoA還元酵素の働きを阻害し、コレステロールの合成を抑える薬
コレステロールは、HMG-CoA還元酵素が働いて肝臓で合成される
肝臓はコレステロールが不足すると血液中から補充しようとするため、生成を阻害することで血液中のコレステロール値を下げる
陰イオン交換樹脂製剤は胆汁酸と結びつき、小腸での再吸収を防いで体外への排出を促す薬です。
胆汁中へのコレステロールの排泄を促すとともに、コレステロールの合成を抑える薬
黄色腫(まぶたや皮膚にできるコレステロールの固まり)を消滅、もしくは縮小させることができる
将来起こる可能性がある心筋梗塞の予防も期待できる
小腸にたどり着いたコレステロールは、血液中に再吸収される
小腸コレステロール輸送体阻害剤は小腸の再吸収を阻害し、血液中のコレステロールが増えないようにする
また、ビタミンのうち、B2は糖質、脂質、タンパク質の代謝に、パンテチン(ビタミンの一種)は脂肪酸代謝に関わる補酵素を作ることに関わる成分で、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすだけでなく、血管壁にコレステロールが付着することも防ぎます。